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ジヤトコ株式会社 インタビュー

3月6日(火)、日産にCVT(無段変速機)を供給しているジヤトコ株式会社の本社に伺い、工場見学および、色々とお話を伺ってきましたので、今日はその様子をお伝えしたいと思います。

同社は世界のCVTの約半分を生産している世界最大のトランスミッションメーカーで、日産の多くの車種だけでなく、スズキやルノーでも採用されており、同社は電気自動車「日産リーフ」用DC/DCコンバータのケースも供給しています。

今回、同社の事業計画およびCVT事業の今後の展開、また、昨年3月の震災からまもなく1年を迎えることを受けて、災害対策としてどのような取り組みをされているのかについてお話を伺ってきました。

①ジヤトコ株式会社の事業計画およびCVT事業の今後の展開について(秦孝之 取締役社長/岡原博文プロダクトチーフエンジニア)

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Q: ジヤトコは現在、世界のCVTの約半分を生産していますが、今後の展開についてどのように考えていますか?

秦氏:

今日、ジヤトコは世界のCVTの約半分を作っています。そしてCVTの割合はどんどん伸びていきますし、市場も搭載車種も増えていきます。ジヤトコ全体の生産の中で3分の2がCVT、そして3分の1がステップATですが、CVTの比率は今後も増えていく方向になります。

 

 

Q:現在、タイの工場を建設中だと思いますが、御社のグローバル生産は2018年までにどのように変化していくのでしょうか?

秦氏:

我々は2018年までに1兆円企業になろうとしています。今は6000億円ぐらいです。現在のジヤトコの総生産台数の20%が海外で、80%が日本ですが、これが3年で50対50になります。そして最大のパートナーであり、株主である日産自動車の中期経営計画「日産パワー88」により、4年後まで順調に伸びて行くことは見えています。しかしその後、2018年までの未来は自分たちで作らなくてはなりません。自分達の商品力で新しい市場を開拓したいというのが我々のビジョンです。

 

Q: CVTは今後どのように発展していくのでしょうか?

岡原氏:

もっと良くすることは出来ると思っています。さらに、レシオカバレージの面で、高速ではとても静かで発進の時には力強いというところも広げる余地はまだ残っていると思います。技術はどんどん進歩しますので、今はできなくても、色々と先行開発をやっていく中で、その未来はどんどん大きくなると思います。そうするともっと多くのクルマに搭載していける余地が十分にあると思っています。

 

Q: CVTはこれまで燃費向上、CO2の排出削減の面がフォーカスされることが多かったと思いますが、今後のCVTに求められるものとは何でしょうか?

岡原氏:

クルマのデザインがもっと変わっていくと思います。あとは電気自動車などもありますので、電動化への対応というものはMustなってくると思います。今まではガソリン車やディーゼル車がメインでしたが、それがモーターになってきたりしますので、電動化というものを最初から考えた製品を作っていかなければならないと思っています。デザイン面でもフードのデザインが格好良く変わっていき、エンジンルームも小さくなるんでしょうから、そこにも対応して、もっとコンパクトにしていくということも必要になってくると思います。

 

Q:他のトランスミッションと比べて、CVTのメリットとはどういうところにありますか?

岡原氏:

DCTはとても燃費がよくて、10年ぐらい前からヨーロッパ中心にどんどん出てきて、トルクもMTに対しても良くなっているのですが、今後の電動化に対してはCVTの方がいいのではないかと思っています。ポコッとトルクコンバーターを変えて、1モーター、2クラッチみたいにしてしまえば、同じようなサイズでも出来てしまうので、そういうメリットもあります。効率面ではまだDCTの方がいいところもありますが、レシオカバレージはもっと広くできるし、使い方はデジタルではなくてアナログで使えるというところがCVTの魅力です。CVTは今の時代でもDCTに匹敵するところまで来ていますから、今後の電動化などのエクスパンション(拡張性)を考えるとCVTには非常にメリットがあると思っています。

 

Q: ジヤトコの未来をどのように描いていますか?

秦氏:

私は2ペダルで世界を変えたいと思っています。これからどんどん伸びていく新興市場でやはり安価でなければならないとすれば、通常はマニュアルトランスミッションを想定すると思います。もちろん、マニュアルトランスミッションの競争力は高いですが、2ペダルで乗り味が良くて、燃費を犠牲にすることがないいい商品がもしできれば、これは新興国においても快適な2ペダルというのは大きな市場性があると思います。それを我々は作りたいと思っています。それがジヤトコの力だと思っています。

 

②ジヤトコ株式会社の災害対策について(秦孝之 取締役社長/渡邉哲郎 工務部 部長)

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Q:315日に大きな地震がありましたが、どのような影響がありましたか?

渡邉氏:

3月15日の地震では富士宮工場の2階の設備を中心に、約600台の機械が傾いてしまうという被害がありました。ただし、ジヤトコでは2003年から耐震補強や設備の固定などの活動をやっておりまして、そのおかげで致命的な被害は避けることができました。ですので、今回のマグニチュード6強という大きな地震では施設の傾きが一番大きな被害でした。また、建屋は補強してあったので良かったのですが、建屋の中にある組立工程で異物混入を避けるための「クリーンルーム」という部屋があるのですが、その屋根が落ちてしまうという被害がありました。

 

Q: 本社の災害への備えはどうなっていますか?

渡邉氏:

こうした緊急事態用の食糧や水というのは、BCP活動の基本的なところでして、食糧、水は帰宅困難者の方が3日間暮らせる分を確保しています。それ以外に毛布、寝袋、発電機や復旧のための工具といったものを主に準備しています。

 

Q:ジヤトコは日本各地に工場を持っていますが、災害の際に工場間で補完し合えるシステムはあるのでしょうか?

渡邉氏:

現在、そのシステムを構築中です。今回経験して分かったのは、設備が傾くなどのハード面のトラブルは対策を打てばよいのですが、内製工順がリスクを回避できる状態になっているか、または、サプライヤーがリスクを回避できる状態になっているかが、一番深く、難しい問題だと思っています。ですので今、各機能部署で戦略を練って、実行に移しつつあるところです。特にジヤトコの組立工程に関しては、グローバル展開とともに、補完体制がかなり充実してきまして、CVT2、CVT7といったものについては、複数の場所で生産できるようになっています。

 

Q:この地域は地震が多い場所だと思いますが、会社としてどのような備えをされているのでしょうか?

秦氏:

確かに東日本大震災では大きな被害はなかったのですが、その後3月15日の静岡県東部地震では残念なことに我々の富士宮工場と富士工場の一部が被災しました。また、東南海、東海地震に対してはかなりの確度で近々起きてしまうという想定で準備をしなければなりません。これに対しては、まずは人命の救出を第一に、次に地震だけでなく津波を想定に加えました。人命のあとは建物の倒壊を防ぐ、それから建物の中に入っている色々な工作機械が倒れることを防ぐための補強工事を行いました。また、日産自動車と協業して、地震の想定をしたときにどういったことが起こるのかという色々なシュミレーションをやっています。さらに、我々に対するサプライヤー様に対しても同じような想定でシュミレーションをして欲しいとお願いしておりますし、日本で災害が起きたときにメキシコ、中国、タイなど海外の拠点がどのようにサポートできるのかというシュミレーションも始めています。

 

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